愛していたら、ここにいなくても



電話をくれるでしょう?



毎年


“誕生日おめでとう”



って言ってくれるでしょう?




「誕生日の前に貰った言葉は離婚しますだよ?もう、親を待つなんてしたくない。」



「……」



「唯人君が“おめでとう”って言ってくれて……お祝いしてもらったのはすごく久し振りだったから、涙が止まらなくなっちゃったの。」



私は唯人君の瞳を真っ直ぐ見つめた。




「…夜深?今度は俺の話、聞いて?」



唯人君は私をそっと抱きしめてそう言った。




どきん



胸がときめいた。



どきん



どきんーー




唯人君はそんな私の変化に気づかずに話を続けた。




「夜深。しっかり聞いて?」



私はその唯人君の言葉に小さくコクンと頷いた。



「夜深は両親に愛されてないって言った。」



「うん。きっとそうだもの」



「でも、俺はそうは思わないよ。」




どうして?



と言う前に唯人君は、更に強く私を抱きしめた。