唯人君は恥ずかしいこともサラリと言ってしまう。
「っ…唯人君は慣れてるの?」
『何が?』
「だから……そうやって、恥ずかしいようなこと…」
私はもごもごと言った。
『…ぷっ…まさか!!そんなわけないじゃん!!』
「なっ…何で笑うの!!」
『だって…ぷっ…』
「っ~~!!もう!」
私は呆れたように大きくため息をついた。
『ああ!!夜深怒るなって!!』
「だって、せっかく電話してそのついでに、“今日は夜に一緒に散歩しませんか”って誘おうと思ったのに……そんな……私が、は…恥ずかしがるようなこと言うし…」
『……』
「ちょっと!また黙って!!唯人君!」
『……あ…うん…え…誘うって、俺を?』
「他に誰がいるの。私が今話してるのは唯人君だよ?」
私はちょっと力んで声を発した。
『……夜深…』
「?」
『今俺、めちゃくちゃ嬉しいんですけど。』
「……へ…?」
思わず拍子抜け。