自然と涙は出てこない。
もう…泣くのも疲れちゃったのかな?
もう…
何もかも、どうでもよくなりすぎちゃった…
私……自分がどうなっても
もういいよ。
そのときだった。
誰かに肩をトントンと叩かれた。
思わず、びっくりして勢いよく顔を上げた。
「……誰?」
「君、一人?暇なら遊ばない?」
誰……
この人
知らない。
「……暇じゃ…ない…」
「うっそだあ~!!暇じゃないならここでそんなことしてないでしょ!ね、遊ぼー」
知らない人にはついて行くなって言われてますから。
なんて、この歳になったらもう言えない。
この目の前にいる男は何を言っても私の目の前から消えなさそうだ。
「ねぇ、こんな時間に女の子が一人でいるなんてさぁ、どうなってもいいってことでしょ?」
男は私の腕を掴んで顔を近づけてきた。
気持ち悪い。