「…ハァ……寒い…」
私は自販機で温かいミルクティーを買ってその場にしゃがみこんだ。
こうしていると冬の寒さが体に染み込んでくる。
息を吐くと白くなって表れる。
寒いし、そろそろ帰ろうか……
私はまだ飲み終わっていないミルクティーを両手で持って立ち上がった。
まだ、ぶらぶらしているときはなぜだか、こんな寒さに気がつかなかった。
「ハァ……」
顔が冷たい。
マフラーも手袋もしていないなんて
無謀だった。
さっさと帰ろう。
私は歩くスピードを速くした。
夜は好きだけど、寒いのはあまり好まない。
私はほんの少し冷えたミルクティーをまた一口飲んだ。
ひとりで夜道を歩く。
ひとりで……
「何してんの?」
とぼとぼと下を向いて歩き始めた頃だった。
後ろから声を掛けられた。
まさか……
ナンパ!?