私も、自分の部屋に入って出かける支度をした。



マフラーと手袋とコート。



それからニット帽を被って玄関に向かった。



「ん?」



途中、電話の留守電が入っていることに気づく。



もしかして……



私は期待して留守電ボタンを押した。




帰って来るんだ……



絶対そうだ…




二人揃って



帰って来るのかな……




『ーーこちらは留守番電話サービスセンターです…』




早く…!




『……お名前とご用件をお話下さい…』




ピーッ……




『もしもし?夜深ちゃん?お母さんです。』




お母さん……




『……お母さん達…』



「……」



……嘘…




「っ……」



私はその留守電を聞いて部屋を飛び出した。




天罰だ。



私が一度でも、寂しいなんて思ったから。



ひとりを我慢できなかったから。




お母さん達が嫌いな弱い子になっちゃったから……



神様が私に意地悪したんだ。