なんてことだろう。
雅人君と…
「っ…」
観覧車を飛び出して急いで遊園地の出口から出て
そこから家まで何も考えずに帰って来た。
唇の感触が消えない。
「違う…」
違う。
あれは、キスなんかじゃない。
慌てて洗面所に向かい、思い切り水を出して唇を洗う。
違う違う違う違う違う違う違う違う!!
「っ…ちがっ…」
洗っても洗っても消えない感触。
私は水を出したまま、その場にしゃがみこんだ。
…違わない。
唇が触れた。
キスだ。
私は何をしているんだろう。
最低だ。
最低だ。
「…っ…ぅ…」
唯人君を傷つけた。
そして、雅人君と不覚にもキスをしてしまった。
唯人君を裏切った。
もう、ダメだ。
こんな私じゃ
唯人君をもっと傷つける。
唯人君…
ごめんね。