どうすればいい?




私には……




親はいないと同然なのに…





私はため息をついて紙を畳んだ。




すると、同時に耳にクシャクシャと紙を丸める音が聞こえた。



「?」




大事だと言われたのに、一体誰だろうと



私はくるりと振り向いた。





「…あ」



「ん?」




……唯人君…だ




「…三懇、いいの?」



「うん。俺には親はいないから」



「…そう…」



「……夜深は?」



「へ…」





まさか、聞き返されるとは思わなかった。



思わず、マヌケな声を出してしまった。




「夜深はいいの?電話、しなくていいの?」




「っ……」




唯人君にこんなに物事を言われたのは初めてだった。



はっきりと



そして真っ直ぐに…





「…後悔するよ。伝えたいことはちゃんと言っておかなくちゃ…後で虚しいのは自分だよ…」



「唯人君…?」




そのとき、チャイムが鳴った。




授業が始まっても、私の心には唯人君の言った言葉が悶々と残っていた。