「…大きくなったら、どっちが夜深をお嫁さんにできるか……勝負、しに来た」
「……約束って…」
「うん。それだよ」
私の顔は一気に熱を持った。
きっと、雅人君にはわかっちゃってるよね…
「……だから…」
ーーガラッ…
「!!」
雅人君の話の途中で教室のドアが開いた。
私はハッとして咄嗟に、雅人君の手を払った。
そして、私もみんなも教室の入口に視線を向けた。
「……唯人君…」
私は、何か資料を持って教室に入って来た唯人君に駆け寄った。
「夜深…?」
唯人君は私を不思議そうに見てからぐるりと教室を見渡した。
「…何でこんなに静かなの」
確かに、さっきの状況を見ていなかった唯人君にはわからない。
でも、見られてなくて正解だ。
しばらくみんなはきまずそうにしていたけど、そこで雅人君が口を開いた。
「…宣戦布告だよ。唯人」
「…雅人…」