目が合って、逸らそうと思っても逸らせない。



しばらく見つめ合っていた私と雅人君だったけど



彼が突然にっこり微笑んで立ち上がったものだから、見つめ合いは終了。




けれど、立ち上がった雅人君は私の方へ向かってきた。




驚いて、私は冷や汗をかく。




どうしよう…



どうしよう…




自分の席から歩いてきた雅人君はそんな私のこともおかまいなしに、私と小池君の前にピタリと止まった。





「…!」



どうしよう…



周りの視線も痛いし…


小池君も少し怒ってるし…




「夜深」




「…っ」




名前…呼ばれた…




思わず私は目を泳がせた。




どうしようという思いでいっぱいだ。




「……昔より、綺麗になってる。本当、綺麗だ」




「……あ…ありがとう…」




私は俯いて言葉を発した。




じゃなきゃ、ドキドキしているのがバレてしまうと思ったから…