ピンポーンーー…
「……」
ピンポーン……
しつこい。
「おーい!やーみ!学校行くぞー!!」
やっぱり、唯人君だ。
「夜深?行かねぇの?」
「……」
唯人君といると、私が私じゃなくなるから、学校も行きたくない。
「……夜深?出てきて?」
そんな優しい声で言わないで。
「夜深…?」
私はベッドから起き上がり、ゆっくりと玄関へ向かった。
そして、ゆっくりと鍵を開けた。
「…夜深……」
「……私…今日は学校には行かない。唯人君が一人で行けばいい。」
「…夜深…何かあった?」
どうしてこうも、唯人君は勘が鋭い。
「何でもないから…じゃあ…」
私はドアを閉めてそこにドサッと寄りかかった。
そして、ペタッとその場に座り込んだ。
いいんだ。
これで。
唯人君みたいな人が私みたいなのと一緒にいることがおかしいんだから。