二人で教室に入ると、またみんなの視線を浴びた。
痛いんですけど…
「おい!唯人!」
騒がしい教室の中で、唯人君の名前を叫んで駆け寄ってきたのは
「小池君…」
小池君だ。
「おい、お前。昨日のことちゃんと説明しろよ。学校中の噂になってんぞ」
小池君は唯人君の両肩を掴みながら低い声でそう言った。
昨日のこと…って…
きっと、雅人君のことだ…
「……後で説明するよ。今は時間がないだろう?」
唯人君は冷静にそう言うと、小池君を振り払って自分の席へとスタスタ歩き出した。
私も慌てて唯人君についていく。
「…っ…唯人!それだけじゃないんだよ!今日っ…ーー」
ガラッーー
「おーい。席着け~。チャイム鳴ったぞー」
小池君が何か言い終わる前にドアが開き、担任が入って来た。
小池君は唇を噛み締めて、私の隣にある席に座った。