自分の部屋のドアを開けるとシーンとした静寂が私に押し寄せた。
少しだけ寂しくなる。
帰っても誰もいないことに今更だけど寂しさを感じる。
私はため息を一つついて寝室に行き、クローゼットの中から制服を取り出してベッドへと投げた。
黙々と制服を身につけながら、昨日の唯人君の話を思い出す。
唯人君は私以上に深い傷を負っている。
亡くなった両親は本当の親でないこと…
本当のお母さんはいるのに唯人君を引き取ろうとはしなかったこと…
そして…雅人君…
仲が悪いって言ってた。
私のこととか引き取ってもらえなかったこともあるのかもしれないけど、きっと二人だけにしか分からない何かがあるんだ。
あの時…睨み合っていた二人。
それと私に話をしてくれた時の唯人君の目…
唯人君は
雅人君を
恨んでるの?
憎んでるの?