病院から帰って、私達はそれぞれ自分の部屋に入った。
唯人君のことを考えながら寝室に向かうと、また、留守電が入っているのに気づいた。
今度は無心で、留守電ボタンを押した。
『……夜深?雅人です。来週日本に帰るって言ったけど、予定を変更して……』
「……」
『“明日”日本に帰ることにしたよ。しばらくはホテルに泊まる予定だけど、弟が日本にいるから
落ち着いたら弟のマンションに泊まろうと思ってる。また日本に着いたら連絡するよ。じゃあ……』
「………」
明日……
…雅人君。
もう……
好きなのは君じゃない。
私は変わったよ?
夜に出るようになって、誰も信じなくて……
それで…今は
唯人君に明るい場所に引っ張ってもらって生きてる……
だから、会っても、ただ再開を懐かしむだけにしよう。
私が好きなのは唯人君。
自意識過剰かもしれないけど、もし彼がまだ私を“好き”と言うなら……
ちゃんと、断ろう…
でも……私……
何でドキドキしてるの?