病院に行く途中のタクシーの中でも、私はずっと唯人君にくっついていた。
何だか、マンションに帰ってから、唯人君がおかしいんだ。
…元気がない。
常にぼーっとしてる。
何か……あった?
そう聞きたいけど、何て返ってくるか分からないから聞けない。
唯人君……
唯人君が笑っていないと、私も笑えないよ…
唯人君…
何したの?
「夜深。着いたよ。行こう」
「……あ…うん…」
私までぼーっとしてしまった。
バカ…
唯人君は私に手を差し伸べてくれて、私を支えながら歩いてくれた。
いつもと、変わらないのにな……
何か違う。
雅人君の……こと…かな…
でも私…
怖くて聞けないよ……