私は真っ赤になりながら、唯人君の胸をポカポカと叩いた。




「ごめんって!!」



「もう!!」



「はははっ!!だって、かわいいからキスしたいって思うんだよ。それじゃダメ?」



急にそんなこと…




「……ううん…」




私は唯人君の首に腕を回した。




「……唯人君…私…今日は帰る。足痛いし、中村さんと顔合わせたくないから…」



「うん。そうだな。じゃあ、俺も帰ろっ!!」



「ダメだよ。授業わかんなくなっちゃうよ!!」



「大丈夫。俺、こう見えても頭いいから!!」



「知ってるけど……」



「じゃあ心配すんな!!ほら、教室ですよ~!お姫様!!」




唯人君は笑顔を私に向けてストンと私を降ろした。




そして、自分と私の荷物を持って私の頭を撫でた。




「髪の毛ボサボサになっちゃうよ」



「ははっ!荷物持ってくよ。職員室行かなきゃだな。夜深が早退するのは保健の先生に言っておくから。先に玄関行ってて?歩ける?」



「うん。平気。」



「ゆっくり行きなよ?」


唯人君は私に優しく笑って、職員室に向かった。