看護師の免許を持つ先生は足のテーピングを素早くやってくれた。
「ちょっとは痛みが平気になると思うけど、どう?」
「先生。夜深は俺に任せてください。学校終わったら、病院連れていくんで」
私の代わりに、唯人君が先生に応えた。
「そう、じゃあお願いね…」
先生は優しい笑顔でそう言った。
「じゃあ、先生、テーピング、ありがとうございました…」
私はそう先生にお礼を言って立とうとした。
でも
「痛い~~…」
痛くて立てない。
もう、どじ過ぎる。
半べそをかく私を見て、先生はクスクスと笑って、唯人君の背中をトントンと叩いた。
唯人君は先生の方を見て、同じようにクスクス笑うと、私の前に腰を下ろした。
「何…?」
「おんぶ」
「え…でも私…スカートだから…」
「あ、そっか」
唯人君はくりっとした目を見開いて、私に向き直った。
そして、何をするのかと思ったら……
「…きゃ……」
突然、体が宙に浮いた。