唇を離して、また唯人君と見つめ合った。
「……夜深…俺……」
「…?」
唯人君が何か言いかけたときだった。
ーーガラッ!
勢いよくドアが開いた。
「相澤さん!!足ひねったの!?」
「え?」
保健室に飛び込んで来たのは……
「ごめんなさいね~!!出張だったのよ今日!!」
保健の先生……!?
「…先生?何でいるんですか?」
唯人君は確かに出張って言ってたし、先生も出張だったって言った。
まさか…帰ってくるなんて…!
「今日は出張だったけど帰ってこれるから、代理の先生を呼ばなかったのよ~!!」
「あ…なるほど…」
私は唯人君の方をチラリと見た。
唯人君は“しまった”というような顔をしてから、苦笑いをする。
「あ!!もしかして、お邪魔だったかしら~?あなた達、恋人同士だものね!!でも!相澤さんの足は一応テーピングしとかないとね!!」
何だか楽しそうな先生。