私がほっと安堵のため息をつくと、唯人君はクスリと笑って、やっと私を解放してくれた。




「これで、夜深が妬いた分取り戻せたでしょ?ダメ?」



唯人君はそう言って笑顔を見せた。




「……私…人が嫉妬…するのを見るのは好き。趣味悪いけど。でも、自分が嫉妬するのは嫌。だから…唯人君が、妬いた分取り戻せた。って言ってくれて、今すごく救われた気がする。」




私はそばに置かれた唯人君の手の上に自分の手を重ねた。




「嫉妬してるのを見るのが好きなんて夜深らしいっていえば夜深らしいな。」



「私らしいんだよ。」




私はクスクスと笑った。


「そんなとこもまた好きだけど!」



「何それ!ふふっ…」



私は笑いながら、また唯人君に抱きついた。




「本当に嫌だったんだよ…?中村さんが唯人君に触ってるの見るの…辛かった…」



「ごめん…俺、ちゃんと断ればよかったんだ。ごめん…」



「…うん……。」




私は唯人君と見つめ合った。



そして、そっと、唇を重ねた。