タンタンと音をたてて、ボールが床でバウンドしている。
「ハァ…ハァ…っ…」
「相澤!!」
イスに座っていた先生が慌てて私に駆け寄ってきた。
バカ。
らしくない。
シュートを外した上に、変な着地の仕方をして足をひねった。
汗も、すごい。
「相澤、すごい汗じゃないか。もういいから、保健室行ってこい。足もケガしたみたいだし。おい、小池、相澤を保健室連れてけ。」
「は…はい」
突然、指名された小池君は少し戸惑った様子で、私の肩に手を回した。
「っ……ハァ…」
ゆっくりと立ち上がったとき、汗が、首筋から胸元に垂れていくのがわかった。
「待って、小池」
一歩踏み出したとき、小池君の肩を誰かが掴んでそう言った。