「言ってた通り、今日はバスケだ。チームは適当に分けて。めんどくさいから男女一緒でいいや。4チームに分かれて。はいはじめ!!」
めんどくさがり屋の先生はそう言って、体育館に用意されたイスに座った。
私は、心の中で地団太を踏んだ。
何で先生が決めてくれないの?
「佐野君~!!一緒のチームでもいい?」
中村さんが周りに聞こえるように大きな声で言った。
「…え……あー…」
「私運動苦手だから、ね?教えて?」
「でも…」
私はその二人の会話が聞こえないように、その場を離れた。
私……運動できないなんて言えない。
自分で言うのも何だけど、女子にしてはスポーツ万能な方だ。
だから、あんな甘えたことは言えない。