支度をし終わって、私は唯人君と学校に向かった。
ちょっと…心持ちが重い。
私は、私の手を握ってくれている唯人君の手をギュッと強く握った。
「…?…夜深?」
「…小池君とか、中村さんに…会いたくないな…特に、中村さんには…」
私はハァとため息をついた。
「夜深、ごめんな。俺、中村さんには気をつけるから」
「うん…ごめん…」
「謝んなくていいの。だから、断ったとはいえ、夜深も小池には要注意な?」
「私は…大丈夫だよ」
「ダメ!小池以外にも夜深を狙ってる奴はいるんだから!!」
「ふふ…了解…」
唯人君は大袈裟だ。
私が狙われてるはずないもの。
小池君はちょっと関わりがあったから。
他の人は……私を好きだというひとがいたとしたら
その人は私の内面なんか、見てないんだ。
「唯人君が転校して来た日に戻りたい……」
ポツリと呟いた私に、唯人君は
はははっ
と笑って、私の頭をポンポンと優しく撫でた。