「和食ですが……」
「いただきます」
焼き魚やら、豆腐やら、味噌汁やらを食卓に並べてイスに座った。
「ごめんね?あんまり作ったなんて言えないけど…」
「いや、おいしいよ。味噌汁は夜深の手作りだろ?」
「そうだけど、もう少し凝ればよかった…」
「いいんだ。本当の手作りは夜深が俺のお嫁さんになったとき。」
…お嫁さん……
私の顔は一気に赤くなった。
「………」
「夜深?」
「唯人君、私をお嫁さんにしてくれるの?」
「うん。“あの”兄弟には負けたくないな。」
「もう昔のことだよ。」
「わかってる…」
唯人君はニカッと笑うと、ご飯を全てたいらげた。
「男の子ってすごい。私、全部食べれないのに…」
「夜深が用意してくれたからだよ。洗面所かして?」
「あ、うん。歯ブラシ、新しいのあるから使って?」
「了解」
唯人君は、恥ずかしいことだってサラリと言っちゃう。
唯人君だから、それが愛おしいんだ。