「夜深ちゃん、モテモテねぇ…」
私のお母さんがクスクスと笑った。
「夜深は僕のお嫁さんにするの!!お前にはやらない!!」
「ダメ!!僕がするの!!」
そんな言い合いを兄弟でしていた。
「じゃあ、どっちが夜深ちゃんをお嫁さんにするか……二人が大きくなったら勝負しようよ。」
彼らのお母さんが笑顔で二人に言い聞かせると
二人は大きく頷いて、私を見た。
「何か……タッチみたいね。」
タッチ世代の私のお母さんは二人のお母さんと顔を見合わせて笑っていた。
「さ、行こうか。」
車に乗り込む二人。
私は大きく手を振って、どんどん遠くなっていく車を見つめていた。