お別れの日。



「色々大変だろうけど、元気でね。」



私のお母さんと彼らのお母さんは幼なじみで、こちらも別れを惜しんでいるようだった。




私のお父さんは、珍しく仕事を休んで私達と一緒に、この家族の見送りをしていた。




「今までお世話になりました。ほら、あなた達も……」



彼らのお母さんが二人を前に突き出して無理やりお辞儀をさせた。




私はそんな二人をお母さんの裏からこっそりと覗いて見ていた。




すると、弟の方が私に寄ってきて……





「夜深、僕、お兄ちゃんに負けないくらい夜深が好き!!」



そう叫んだ。




周りの人はポカンとした表情で私達を見ていた。



「だから、お兄ちゃんには負けないよ!!」



彼はそう続けると、赤くなる私の唇に軽く




キスをした。




「あーーー!!!」




それを見た、お兄ちゃんの方は弟と私を引き剥がして、私を強く抱きしめた。