その木を見ると、彼との思い出が蘇ってきて、余計に涙が溢れた。
「っ……いや…お引っ越しなんて…」
勝手にお引っ越しでも何でもすれば
なんて言ったけど、彼は悪くない。
ただ、親が病気だから……
誰も悪くないのに……
「夜深ちゃん?」
え……?
涙を拭っていると、後ろから彼の声がした。
追いかけてきて……くれた?
私はゆっくりと振り向いた。
「あ……」
「夜深ちゃん、どうしたの?」
そこにいたのは、彼ではなくて……
彼の双子の弟だった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…