私は唯人君の腕の中で、唯人君に頭を撫でられていた。
唯人君は頭を撫でながら時々、私の髪の毛をクルクルして遊んでいる。
かわいい…
私は顔をあげてそんな唯人君に微笑んだ。
「何?」
「ううん。何でもない…」
「そう?」
「…嘘…。好き。」
「俺も、大好き。」
唯人君は落ち着いた低い声でそう言った。
そんなところにも、私の胸はときめいてしまう。
「夜深。やけどは痛まない?」
私がギュッと唯人君に抱きついていると、心配そうな顔をして唯人君は私の顔を覗いた。
「ん…ちょっと痛むけど、平気…」
「そうか…」
唯人君は黙って私の右手を取ると、自分の唇に持って行き、その火照った唇を私の右手につけた。
「ごめん……夜深がこんなケガしたの、俺のせいだ。俺が見てなかったし、俺が変な心配させたから…」
唯人君は悲しい顔して言った。
違う。
違うよ…?
唯人君…