部屋が一瞬、シーンとなった。
「唯人君?」
私は恐る恐る唯人君の顔を覗いた。
「…わっ……」
ドサッーー
ん?
「夜深。俺は怒ってるよ。」
「っ…ん……」
いきなり、ベッドに押し倒されて
キスをされた。
不意打ちすぎる。
何も、考えられなくなる。
やっと、唇が離れて唯人君は私の唇に自分の指を滑らせた。
唇が熱を帯びる。
「俺はやきもち焼くよ。夜深を誰にも触らせたくない。」
「…ほんと?」
「ほんと」
唯人君があまりにも真剣な顔で言うから、何だかドキドキしてしまう。
ベッドの上…
火照った体…
目の前には唯人君…
「…私も…ほんとはやきもち焼いて怒ってたよ……」
「ほんと?」
「ほんと…」
嫌だったの。
一瞬でも私じゃない子が唯人君の胸の中にいたことが……