唯人君は苦笑いをして頭をポリポリとかいた。
「…ごめん夜深。怒ってる?」
「別に。怒ってない。」
私は氷の入った袋を持って、寝室に移動した。
「やーみ!」
唯人君は悪びれもなさそうに私の後をついてきた。
「もう知らない!!唯人君嫌い!!」
私はベッドに座ってプイッと唯人君から顔を逸らした。
「やみ~…」
だってだって…
何で抱きつかれてるの?
しかも、告白までされて……
私も告白されちゃったけど……
抱きしめられちゃったけど……
ああ…ダメ。
私、唯人君のこと怒れる立場じゃない。
そうだよ。
抱きしめられちゃったじゃない…私。
しかも、忘れてて唯人君に言ってない…。
まずい。
「ゆ…唯人君…?」
「ん?」
「私ね?」
「うん?」
「小池君にこ…告白されたとき…」
「うん…」
私は唾をゴクンと飲み込んだ。
「だ…抱きしめられた…」
体中から一気に冷や汗が出た。