手が震える。
私は、唯人君の手に震える手を乗せてキュッと掴んだ。
「あのね、今日…放課後…唯人君を待ってるとき、小池君が教室に来たの。」
「小池が?」
「うん…。それで、こ…告白されて…」
「告白っ!?!?」
唯人君はオーバーなくらいに目を見開いて驚いた。
「断ったよ!!」
「…わかってるよ。夜深を信じてるから。」
「…それで、その後……」
その後……
「っ…唯人君が…サッカー部のマネージャーと抱き合ってるの見たってぇ~…」
「……え??」
「おとといだって。唯人君を信じないわけじゃないけど、それが難しい…」
またズキズキと胸が痛む。
「唯人君……大学の話って…嘘だったの?」
私は涙を拭いながら、真剣な目で唯人君の目を見つめた。
「……嘘…だよ…」
「っ……」
ーー『嘘だよ』
唯人君から発せられたその言葉が、私の耳に
大きく響いた……