唯人君は、うーんと唸った後
玄関へ進めた足を私の方へと向けた。
そして、俯いて涙を流す私をしっかりと抱きしめてくれた。
「…氷」
「……こ…おり?」
「うん。夜深の冷凍庫の氷少なかったから、俺の持ってこようと思ったんだ。」
「……」
私の顔は一気に赤くなった。
「夜深。顔あげて?」
唯人君はクスクスと笑って言った。
私は唇を噛みしめて、ゆっくりと顔をあげた。
「真っ赤」
「……だって、勘違い…」
「うん。でもかわいい。」
私の赤い顔は更に赤くなった。
唯人君の目が見れない。
「夜深。こっち見てよ。」
…え……
「っ~~…」
キスされた。
「夜深……好きだよ。」
「ん……」
今度は深いキス。
唯人君の手が私の髪を触る。
私はどんどん力が抜けていくのがわかった。