ドジ。
ほんとバカだ。
「やけど!?冷やさないと!!!」
唯人君はその場にしゃがみ込んでいる私を支えながら立たせ、やけどをした右手に流しっぱなしの水を当てた。
「冷やしといて!冷たいと思うけど、我慢して?」
「…うん…」
「氷、用意するから。冷凍庫開けるよ?」
「うん。ごめんね…」
私は赤くなった右手をじっと見つめた。
もう最悪だ。
私は近くにあったイスを片手で引っ張って腰を下ろした。
ため息をついて流れる水を眺める。
ザー…
「………」
ザー……
「…っ……」
ザー………
「夜深。氷用意したよ。これで冷やして…」
「……」
「夜深?」
黙る私の顔を唯人君は両手で挟んであげさせた。
「…っ……ごめん。何でもないの…」
「何でもなくないよ。泣いてる。」
「…ごめん…ごめん…」
「何で謝るの?夜深…何でも言って?」
唯人君にそう言われ、私は潤んだ目で唯人君を見つめた。