「っ……」
私は走る足を止めて、両膝に手を当てた。
「……ッハァ…ハァ…」
息が切れる。
「は…っ…バーカ…」
自分に向かって呟いた。
私はそのままゆっくりと、人の邪魔にならないところまで行き
ストンと腰を下ろした。
膝を抱えて、額をくっつけた。
耳に響くのは、人が歩く足音と
自分の息をする音。
…いつかも、こんなことがあったっけ……
確か、おばあちゃんとケンカしたんだよね。
小さかった私…
今よりバカだった私…
おばあちゃんにわがまま言って困らせて、一方的に怒って……
家を飛び出したんだっけ……
本当、おばあちゃんに申し訳ないことをしたな。
なんて、今でも思う。