きっと、今携帯を開けばメールと着信だらけだろう。
携帯は電源を切ってあるから、確かめるのも面倒くさい。
それに、後ろめたい……
私は真上に広がる夜空を見上げた。
真っ暗で、広すぎて
吸い込まれそうな空。
私の大好きな空なはずなのに
怖くなる。
怖い……
体がどんどん冷えていく。
「っ……」
思わず、私はそこから逃げ出した。
走って、走って、夜を抜け出したい。
日の当たる場所に行きたい。
どうして……私…
何で夜から逃げるの?
夜は好きだったじゃない。
今もそうでしょ?
夜にしか生きられないから、夜が好きだったのに……
なのに……
ーー『俺、空見るの大好きなんだ。特に明るい空。』
唯人君が太陽みたいだから、日の当たる場所が大好きになっちゃったんだよ……