放課後。



唯人君はまた、大学のことで呼び出された。




春なのに、もう大学の話なんてするんだ。




やっぱり、唯人君はすごい。




私は教室で一人、唯人君を待っていた。




空がうっすらとオレンジ色に染まっている。




「ハァ……」




ため息ばかり。




小池君のあの言葉の続きが気になって仕方ない。



ガラッーー



「……!?」



あ………




ドアが開いて、そこにいたのは……




「小池……君…」




そこにいたのは、サッカーの練習着を着た小池君だった。



彼はサッカー部で
こう見えても、キャプテンなのだ。




それなのになぜ、この時間にここにいるのだろうか。



総体に向けて、どの部も頑張ってるのに。




「相澤さん?唯人待ち?」



「そう。……小池君は?」



「俺はタオル忘れたから取りに来た。」



「ふーん。」



あんまり興味ないけど。


私は適当に相づちをうって、また外へと視線を移した。