私が気づかない所で、唯人君はたくさん、



たくさん傷ついてる。



今も、きっと……



「もう、一人はやめろよ……」



そう言って唯人君は悲しい顔をした。



「うん…ごめんね。」




私はそんな唯人君を引っ張ってそっと



キスをした。




「……夜深は優しいな。本当、俺にはもったいないくらいに。」




「それは……どうだろ。私…優しかったら、小池って人から逃げたりしないもの。」




「それは、仕方ないよ。夜深は人見知りだから。」




「そう?」




「そう」




私は起き上がり、後ろから唯人君の首に腕を回して抱きついた。




「今日はやけに甘えただな。」




「…唯人君……」




「ん?」




「好き。」




「知ってる。俺も好き。」




「ふふっ…」




唯人君…



私…幸せだよ。




すっごくすっごく。



もうね?



夜の街に逃げなくても平気なくらいに





幸せ…