いつの間にか、屋上に来ていた。



私…



いつも屋上だ……




多分、唯人君と初めてまともに話した場所だからかな……




「…っ…もう…!!」




何で…逃げたんだろう……




あの人が知らない人だから?



ううん。


それもあるけど……



私……




ちゃんと…話せない…




「……ハァ…」




私は寝転んで、雲一つない空を見上げた。



こうしてぼーっと空を見ていると、何も考えなくてすむ。




この明るい空が、大嫌いだったけど



唯人君が“好き”って言うから私も好きになってたよ……



いつの間にか。




私はゆっくりと目を閉じた。




春の風が鼻をくすぐる。



そうか……もう……春なんだ。






バンッーー!!




……!?



うとうとしかけたとき、突然ドアが開いた。




「また屋上……」



「っ…」




唯人君……