すごい。
あんな中に入って行っても、すぐに見つけられる。
周りより、頭が一つ分位飛び出してる。
みんなに話しかけられて、人気者……
ほんと…
かなわない。
私なんか、話しかけられてもあんなに笑えない。
いいな…
誰にでも優しくて、笑顔で話せる唯人君がうらやましいよ…
私はぼーっとして唯人君を見つめていた。
「相澤さん」
ビクッ
突然名前を呼ばれて、思わず跳ねてしまった。
私は声のした方へ恐る恐る振り向いた。
「……?」
……誰??
「やった。相澤さん今一人だ!唯人は?」
「はぁ…」
誰?
唯人はって聞くってことは、同じクラス?
「俺と相澤さん同じクラスだよ!!あっ!唯人もね。」
「はぁ……」
やだ……どうしよう…
思わず私は、何も言わずに走り出していた。
「あっ!相澤さん!!」
ダメ。
戻らなきゃ…
ダメ。
ダメなのに…