掲示板の前には人だかりができていた。




こうゆうの、苦手……




「夜深、どうする?」




「私…、ちびだから……この中に入るのはちょっとキツいかな…」




「よし、わかった!!」




何でそういう結果になったのか、唯人君は突然、私を抱きかかえた。




「キャッ…ちょっと!!」


「もうちょっと前行くよ?どう?見える?」




唯人君は子供をたかいたかいするみたいに私を抱っこしてそう言った。




周りは私達を見て、少し驚いているようだ。




「…み…見えるけど、恥ずかしいよ!!お…降ろして!」



「えー?」



「唯人君!!」



私が真っ赤になって叫ぶと、唯人君はストンと私を降ろした。




「もう!いつも強引なんだから。」



「ごめんごめん。俺が見てくるから、夜深はここにいて?」



「…うん…」




唯人君は私の髪の毛をくしゃっとすると、人だかりの中に入っていった。