仕方がないので、私は唯人君の腕を引っ張って、無理やり中に入れた。
「……唯人君…」
怖い。
聞くのが、何となく怖い。
聞いたら、唯人君がどこかに行ってしまうような感覚。
ダメ……聞けない…
私は汗ばむ手を力いっぱい握りしめた。
本当に無力。
何……怖がっちゃって…
らしくない。
らしく……ない……
唯人君にかける言葉が見つからず、私は静かに唯人君の背中に抱きついた。
腰に手をまわして、離さないようにギュッとする。
「唯人君……私…ずっと唯人君と一緒にいるよ。唯人君が私を嫌いって言うまでは離れないからね…」
「うん……。でも、嫌いなんて…言わないよ…」
「……うん…」
どうか……離れて行かないで。
ずっと、ずっと、一緒にいて欲しい…
私が寂しいとき、温めて欲しい。
ねぇ……
唯人君が寂しいときもそばにいるから……
だから……