唯人君は私においでおいでと手招きをして、微笑んだ。
私はそれに従って唯人君に近づいた。
「夜深。三年生になって……同じクラスじゃなくなっても、俺と一緒にいてくれる?」
唯人君はそう言って私をギュッと抱きしめた。
私はスッポリと唯人君の腕の中に収まってしまった。
「当たり前だよ。でも私、また唯人君と同じクラスになれる気がするよ。」
「そう?夜深が言うと本当にそうなる気がするよ。」
「唯人君……急にどうしたの?」
「うん…ちょっと、寂しくなった。」
「寂しいの?唯人君。」
「ん?ちょっと思い出しちゃってね……。でも、夜深がいてくれれば俺が抱える寂しさなんてなくなるよ。全部ね。」
「…私も……唯人君といるとあったかくて…寂しさなんて、全く感じないよ…」
私はいつもと様子が違う唯人君にそう言って、私を抱きしめる彼を強く抱きしめた。