一月一日 0時 00分。


私は近所迷惑にならないようにゆっくりとベランダに出た。





「ゆーいーとー…」




まだ寝ているであろう彼の名を、呼び捨てで呼んでみる。




「起きろー…!!ゆーいーとー…!!」




やっぱり、小声じゃ聞こえないかしら?




私はふぅとため息をつき、諦めて部屋に戻ろうとした。




「起きてるよ。夜深。」



カラカラと隣の部屋の窓が開いて、彼は私にそう声をかけた。




「さっき、俺のこと呼び捨てにしたっしょ?」



唯人君は子供みたいな笑顔を私に向けた。




「うん。だって唯人君が起きないんだもん。」



「俺の方が五ヶ月年上なのに。」



「五ヶ月年上って……同い年には変わりないでしょ」



「あははっ、そうだね。」



また、子供みたいな笑顔…





「唯人君……明けましておめでとう…だね」



「そうか、年明けちゃったのか。」



「え~…気づいてなかったのー?」



「うん。夜深のこと考えてたから。」



「嘘つき」



「本当だよ」



「……」