私が不機嫌な顔をしているのに気づいたか気づいてないか知らないけど



彼はニコニコして話を続ける。



「だ・か・ら!呼んでよ!名前で!」



「は?やだよ。」



「うわっ!即答!?」



彼はオーバーなリアクションをして頭を抱えた。



「じゃあさ…俺が呼ぶ。」



「……?」



呼ぶ



って……どーゆう意味?



「夜深ちゃん。」



「…!」



私は思わず、目を見開いて彼を見た。



「綺麗な名前だな。夜が深いって書いて“夜深”。」




綺麗な名前……



バカな私…



何…



泣きそうになってんの……



「あんまりでかい声で言えないけど、やっぱり会ってるよ。俺ら。」



「……うん…そうだね。……言う?学校に。」



「まさか!!大丈夫だって!言わないから!俺がそんな奴に見える?」



「……少し…」



「はははっ!酷いな!」



不思議。



私…何で笑ってるんだろう。



人となんか関わりたくないはずなのに……



変なの……