ふっと我に返った。



『あ…。うん。私は夏。』



『夏?かわいい名前だなー。よろしくね。』



『うん。何回もありがとう。』




『どういたしましてー』







といいながらも、


頭の中は将のことでいっぱいだった。






“しょう”という名前を聞いただけで、

何でこんなにも反応してしまうのだろう。





交通事故という死に方があまりにもひどすぎたから?



納得の出来ない死に方だったから?







きっと、本当に本当に好きだったから。




今でもまだ好きなのかもしれない。






だけど、もう大丈夫。


夏には春がいるから…。





だけど、大丈夫ではなくなってしまった。











彰に出会って。