「ありがと、見送り」

「いいんだ?本当に楓に会わなくて?」

駅の前、見送りに来てくれたもみじ君から鞄を取る

「うん、後で言っといて」

「にしても、なんで連絡先知らねぇんだよ。教えようか?」

「いいよ、話すことなんてないだろうし」

「…あっそ。じゃっ、寂しいときには俺に電話しな」

「そうしとくよ」

もみじ君の冗談にのって、2人で笑いあった

あたしは電車に乗り込む

「ありがとね、ほんと。あっ、部屋汚さないでよ?」

「わぁってるって。じゃあな。寂しかったらまじで電話しろ」

「命令系かよ」

プシュッ

電車のドアが閉まる

とそこへ…

ルキ君、駿君、龍、そして楓…

あたしは扉の窓へと手をかける

「なんで…」

「ばか!!お前の考えてることなんて丸わかりなんだよ!」

扉を挟んでうっすらとしか聞こえない声