「今日も頑張るぞ!」

私は自分に気合を入れ、冷蔵庫の花もきれいに見えるように並べ、

ガラスの霜を拭き、準備をした。

私は一段落してから、時計を見た。 

8時50分―――
 
社員はまだ姿を見せない。

それもそのはず。

うちの店がオープンするのは、9:30だから1時間も早い事になる。

「店長、私ね、仕事に
余裕を持つって大切で
すよね、だから、時間
ぎりぎりって苦手なん
ですよね。」

店長の顔を見ずに私は言った。

私の気持ちを見透かされないように・・・。

それを隠すように私は言った。

「そうだな、俺も
そうかも。」

私の気持ちに気づかれないように。

私の心臓の音が聞こえないように。

早く出勤している私の気持ちがバレないように。

だって、

早く来れば、みんなより早く、少しでも早く、

店長に
逢えるから・・・。