連れていくと待っていた面々があいつの話しかける。

それを見ていると、ふと視線を感じた。
目線をずらすと相川……先輩と目があった。

あの含み笑いがムカつく。言えないけど。

あいつがふざけてお姉さまと呼んでいる1っコ上の先輩だ。
この生徒会……いや、学校で一番逆らっちゃいけねぇ奴だ。

そんな相川先輩の一声で生徒会の面々は仕事に手をつけ始めた。

陽が沈む頃仕事は一区切りついた。
そして久々にあいつと一緒に帰ることになった。

あいつが引っ越してきたのは俺ん家の近くだから、生徒会になってからは時々一緒に帰っている。

「なぁ光。お前生徒会が嫌いな訳じゃねぇんだろ?何でサボるんだ?」

ずっと思っていた疑問。

「気まぐれ、ですかね」

「気まぐれかよ」

まぁたいして理由はないだろうとは思ってたよ。
でも軽い脱力感?

「それでも一度も成功しませんでしたけどね」

そう、サボろうとはするものの一度だって成功した試しはない。

「毎回毎回俺が捕まえるからな」

「何で見つかるんですかねぇ」

それは俺が目で追ってるから。
それに気になる奴ってのはすぐに目につくもんだろ?

そんなことは言えねぇから誤魔化したけどな。

暫く経って、ポツリとあいつが言った。

「やっぱり引っ越してきて良かったです。毎日が楽しくて、最高です」

見れば、はにかんだ笑顔でこっちを見ていた。

……反則だろ。

今日は必死に自分を落ち着かせながら終わった。




おそらくは顔は赤いというオプション付きで。




♪END♪