「楓はレイカちゃんにちゃんと気持ち伝えてるの?」

「気持ちって何の?」

「幼馴染以上に思えないってコト」

「はあ?別に告られたわけでもないのに、そんなこと言えっかよ」


そりゃそうだけど。

レイカちゃん、イブは期待してると思うな……。


「昨年のイブはどうしたの?」

「昨年?友達の家でパーティーしてバカ騒ぎやったな、そういやー」

「それって……レイカちゃんも一緒?」

「ああ」


……やっぱり。


「今年も誘われたらどうすんの?」

「先にお前らと予定入れちゃえば関係なくねー?」

「違うよ、あたしが言いたいのはレイカちゃんのこと」


まさか楓は気付いてないの?レイカちゃんの気持ちに。

誰が見ても分かるのに……。


「別にいつもレイカと約束してるわけじゃねーし。何でかいつもあいつがいるだけだし」


楓はその意味が、まるで分かっていないみたいだった。

ぶっきらぼうに言い切ると、「で、どうすんだよ?」と平然と聞いてくる。


別にレイカちゃんを応援してるわけじゃないんだけど、あんなにレイカちゃんがアピールしてるのにそれにまったく気付いていない楓にちょっと呆れた。


……というか、レイカちゃんが可哀想に思えた。


幼馴染って、お互い一番近くにいれる存在で羨ましいってずっと思っていたけど。

あんまり近すぎるのも、いいことばかりじゃないのかな……。

レイカちゃんはレイカちゃんで、幼馴染って立場に悩まされてたりするのかな……。


「1日限定カップルってことで、オレらもクリスマスの甘いムードを楽しもうぜ」