学校の正門で下ろしてもらった。車の中では、昨日のことの話題にはあえて触れずに世間話をしていた。




「あ、雪乃〜!!」



「あ、菜々子〜!!!」



正門をくぐろうとした時、後ろから菜々子の声がした。



「今の雪乃のお兄ちゃんでしょ?送ってもらうとかずるいよ〜!!!!」



「今日はバスに乗り遅れたから特別なの〜!」



私は菜々子にそう言って笑った。



「雪乃いつも通りに笑えてる」



そう言って菜々子は私に向かってとびっきり優しい笑顔を見せてくれた。



私は心の中で菜々子ありがとうと…ずーっと連呼していた…。


いつも通りの笑顔ができている私が私には少し不安だった…



圭吾の存在が…もう本当にいらないような気がして…



圭吾がいなくても…私は私なんだと…誰かに言われた気がして……











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