「蒼ね、私の前では弱気を見せなかった
 って言ったけど、やっぱり、どこか
 元気なかったの。

 けど、空ちゃんの話をするときは
 いっつも楽しそうで…。

 いつも蒼が言ってたの。
 『空に救われたんだ。』って。

 だから、私から、お礼を言うわ。
 ありがとうね。空ちゃん。」


蒼のお母さんがあたしに涙を浮かべ
ながら言った。

あたしもいつの間にか涙が零れてた。


「でも、お母さん。
 救われたのはあたしも一緒なんです。
 
 少し前、私と蒼が喧嘩して、
 別れた事があったんです。
 理由は、私が悪いんですけど…。

 その時ほぼ同時に別の問題も
 起こって…。

 人には言わなかったけど、
 何度も倒れそうになって…。

 でも、蒼が私を別れてももう一度
 守ってくれた。
 私がしんどそうな時も
 絶対見逃さずに、自分ができる事を
 冷静に判断してくれて。。」