ー土曜日ー

~~ピーンポーン~~

1回鳴らしただけで、蒼のお母さんは
出てきてくれた。


蒼の家は数えるほどしかきた事ないけど
なぜか懐かしい気がする。

蒼の部屋は玄関から見て一番奥の部屋。


蒼のお母さんはちょっとお茶入れて
来ると席をたった。

すぐに戻ってきて、それからお茶と
ちょっとお菓子を食べて、
作業に取り掛かった。


蒼のお母さんは最初は蒼の部屋を
あたしと一緒にしてたけど、
もう1つ蒼が使ってた本棚が並んだ
部屋を整頓してくると
蒼の部屋を出た。


あたしは、蒼らしいキレイな部屋で
思い出に浸っていた。

小・中・高の卒アルを見ていた。

変わらない蒼の雰囲気。

部活の写真には、蒼が先頭に
優勝カップを手にしている写真が
おさめられていた。


やばい。


あの日から、蒼のお母さんや蒼と
約束したから、泣かないように
してたのに。